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rTMS の治療メカニズムとは?

うつ病は「こころの病気」 ですが、 「脳のはたらき」 が不調をきたした状態と捉えることも できます。うつ病患者さんの脳では、物事を判断したり、意欲を持って行動したりするのに 重要な部位である、背外側前頭前野や前帯状回などのはたらきが落ちていることが知られています。
rTMS は、 頭の外から反復して磁気刺激を入れることで、 身体を傷つけることなくそれらの 部位を活性化させることで抗うつ効果を発揮します。 科学的には以下の通りです。

1. 磁場の生成と電流の誘導

rTMSでは、コイルを左背外側前頭前野の直上の頭皮に近づけて設置し、そのコイルを通 じて短時間に強い磁場 (パルス磁場) を発生させます。パルス磁場は脳の皮質 (脳の外側 の層)を通過し、その下にある神経細胞に到達します。 この磁場の変化により脳のニュー ロン(神経細胞) 内に誘導された電流が、その膜電位を変化させ、ニューロンの発火 (活 動電位の発生)を引き起こします。

2. 神経活動の変化

高頻度(10Hz)のrTMSにより左前頭前野領域の神経活動が変化し興奮性が高まります。その神経活動の変化がさらに深部の前帯状回などに影響を及ぼします。

3. 長期的な効果

rTMS を一定期間 (15回~30回) 行うことで、神経活動の変化が持続的に起こり、シナプス可塑性と呼ばれる脳の神経回路の長期的な変化が引き起こされる可能性が指摘されて います。 シナプス可塑性は、シナプス(ニューロン間の接合部) の強化や弱化を通じて、神経回路の効率性を変化させるプロセスです。これにより、長期的な治療効果を発揮すると考えられています。
医療法人社団 澄鈴会 粟津神経サナトリウム
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